うっかりして醤油を服にこぼしてしまった。買ったばっかりの服なのに、これじゃクリーニングに出さないといけないよ。とほほ。
このような経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
醤油の染み取りはスピードが命で、汚れた瞬間なら軽い水洗いだけでも落ちることがあります。
とは言ってもスーツを着たピシッとした場所での食事の際や、仕事中に汚した場合すぐさま帰宅というわけにはいきません。

ご安心ください。醤油の染み抜きは時間がたってからも出来ますしほんの15分前後で作業が完了します。
醤油を垂らした後に1日おいたシャツを使い、醤油の染み抜きを実践しながら解説していきます。
染み抜きの技を磨き、うっかりこぼしたとしても動じない心を手に入れましょう。
用意するもの
醤油の染み抜きに必要な道具は、以下の通りです。
- 洗面器
- ゴム手袋
- 汚れを落とす歯ブラシ
- 食器用洗剤
- 白タオル
すべて神保町の100円均一で売っていたものなので、ダイソー等の100円ショップへ行けば簡単に入手できます。
食器用洗剤がない場合でも、重曹やセスキ炭酸でも汚れを落とすことが出来ますよ。
画面には入り切らなかったのですが、染みを衣服から移すための白タオルは重要アイテムなので忘れないようにしましょう。

※今回はこのタオルを使用しています。キャンドゥで買いました。
道具を揃えて染み抜き作業を開始!
と行きたい所ですが染み抜きする前に、服を台無しにしてしまわないための注意点を確認していきます。
染み抜き前の注意点
染み抜きをする前に、衣類が色落ちしてしまわないか確認する必要があります。
白いタオルに水を含ませたら、服の目立たない部分に押し当てて、色落ちするか確認してください。
タオルに服の色が付いていたら、色落ちする可能性が高いです。
色落ちする衣類に染み抜きをすると、衣類の色も一緒に落ちてしまいます。
染み抜きによって衣類が痛み、損傷してしまったせいで処分することもありえます。
色落ちする衣類の染み抜き難易度は高いです。
難しい場合は自分で処理するのではなく、クリーニング店に相談された方が良いでしょう。
染み抜き実践開始
今回はこのしろ~いシャツを使用します。醤油をこぼしてから1日が経過したものです。


そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
安心してください、こんな汚れでも染み抜きすることでしっかりキレイになります。
では、手順の説明に入ります。
① 染み抜きする部分の裏にタオルをあてる
まずかるく流水で汚れを水に慣らした後、画像のように染み抜きする部分の裏にタオルをあてます。
染み抜きはシャツについている染みを他の何かにうつして汚れを取ります。
シャツからタオルへの染みの移動が必要です。
しっかりと裏にタオルをしいてください。
② 染みの部分に食器用洗剤をかける

次は、染み部分に食器用洗剤をかけます。
洗剤が手について肌が荒れることもありますので、ゴム手袋を着用しています。
ドバドバかけるのも怖くて少量にしてみましたが、広げることが可能なので少ない量でも大丈夫でした。
③ 歯ブラシ等で汚れを叩く

歯ブラシで汚れを優しくぽんぽんっとはたいていきます。
画像でも、赤丸の中で醤油がかすかに残っている部分と白い部分がありますね。
この段階で弱い汚れはタオルに吸収されていきます。
染み抜きの80%がこの時点で完了したと言っても過言ではありません。
④ ぬるま湯ですすぐ

洗面器にぬるま湯を貼り、汚れた部分をすすぎます。強く揉む必要はなく、洗剤が落ちる程度に軽くこすっていきましょう。
⑤ 洗濯機で洗う
お疲れ様でした。後は洗濯機に入れれば終了です。
下に敷いたタオルに、シャツの汚れが移っていたら染み抜きができている証拠です。

※染み抜き後のタオル 食器用洗剤と醤油の汚れが移っている
あとは洗濯機が仕事を終えるのを待つだけですので、じっくり待ちましょう。
染み抜きビフォーアフター
では、洗濯も終わったので染み抜き作業でどれくらい落ちたか見てみましょう。
まずは染み抜き前のシャツ。

かなり派手に醤油がこぼれていますね。しかし、染み抜き後はこの通り!

バン!
ほとんどではなく、完全に汚れが消えています。
最初に醤油をこぼしている時は「これで消えなかったら困るな」と不安でしたがキレイになってホッとしました。
染み抜きのパワー、身を以て実感することになりました。
作業も洗濯の時間を除けば15~30分ほどで完了し、手軽に行うことができます。
醤油がこぼれたとしても、帰宅して染み抜きさえすれば汚れを落とすことは可能です。
慌てず、適切な処置をしてしつこい染みを退治していきましょう。
食器用洗剤以外のシミ抜き道具
今回は食器用洗剤を使用しましたが、それ以外の道具でも染み抜きをすることができます。
アイテムによって注意すべき点があるので、染み抜き道具の特徴と使い方について説明していきます。
酢

食器用洗剤で染み抜きを行う際、手荒れを気にしてゴム手袋を利用しました。
しかしゴムアレルギーの方は手袋をすることが出来ません。
そんな方にもうれしい染み抜き道具があります。
それは酢です。
水で染みを落としたあと、洗面器にコップ1杯分(200ml前後)のお湯を張り、大さじ一杯の酢を溶かします。
そこに衣類を漬けることで、酢に含まれる酢酸という成分で染みを落とします。
その後洗面器の酢水を通常の水に取り替え、石鹸で汚れた部分をさらに拭いたあと洗濯をします。
そうすることで、手荒れを気にせず染み抜きできます。
セスキ炭酸ソーダ

セスキ炭酸ソーダはアルカリ剤の染み抜き道具です。
食器用洗剤などで落ちないガンコな汚れに効くアルカリ剤。
当サイトではセスキ炭酸ソーダを粉から作る方法も紹介していますが、このように最初からスプレーのタイプのものもあります。
セスキ炭酸ソーダスプレーをネットで買う▽
セスキ炭酸ソーダは強力なので、使用したら必ずクエン酸などで中和することを忘れてはいけません。

※どちらのスプレーもキャンドゥにて購入。
クエン酸での中和だけに留めるのではなく、通常の工程と同じように洗濯での洗い直しを推奨します。
アルカリが残ることによって衣類の変色や痛みを引き起こす可能性があります。ご注意ください。
クエン酸スプレーをネットで買う▽
やってはいけない染み抜き
染み抜きはクリーニング屋に行くことなく素早く便利に染みを消すことが出来る便利な技ですが、使う際にはいくつか注意すべき点があります。
やり方を間違ってしまうと衣類を痛めるどころか、身体にダメージを受けてしまうこともあるので染み抜きをする際にやってはいけないルールについての理解を深めていきましょう。
塩素系の漂白剤を使う
塩素系の漂白剤は強力な脱色効果がありますが、制約や毒性などから積極的な利用は推奨されません。
漂白する力が強いので、衣類に元々ついている染色も脱色してしまいます。
アルカリ性のちからが強く綿・麻・ポリエステル・アクリル素材のみ使用可能です。
「まぜるな危険」という表記が消費者庁によって義務づけられているものは、1.0ppm以上塩素ガスを発生する塩素系の商品です。
「まぜるな危険」の商品を酸性の商品と混ぜると有毒ガスが発生したいへん危険なのでご注意ください。
強くこする
染み抜きの際にやってはいけないことが、ハンカチなどで強くこすることです。
こすることで生地にスレが発生してしまいます。
スレが生じることで生地との間に摩擦が起き、熱で染みは拡がり、生地に浸透してしまいます。
強くこするとよく落ちそうなイメージがありますが逆効果なので、やらないようにしていきましょう。
無理におとそうとする
食器用洗剤やセスキ炭酸で試してみても落ちない場合は、無理に自分で落とそうとせずにクリーニング店へ持っていきましょう。
自分で落とすことが出来たら御の字ではありますが、出来ないなら無理をして落とす必要はありませんからね。
余計に時間をかけて、なおかつ衣類まで台無しになってしまっては本末転倒ですから。
まとめ
以上が、醤油の染み抜き実践解説でした。
染み抜きの際に注意しておく点は以下の通りです。
染み抜きの注意点
- 色落ちしないか確認
- 塩素系の漂白剤に注意する
- 強くこすらない
- 無理そうならプロに任せる
今回は歯ブラシで汚れを落としましたが、家に余分な歯ブラシを持っていない方は綿棒などでも代用できます。
ゴム手袋さえあれば、加減して手袋ごしにトントンと叩くことでも汚れを落とすことが出来ます。
この道具は何かで代用できないかな?
こうした考えを持つと余計な買い出しが減って手間とお金が節約できるので、意識してみてはいかがでしょうか。