特別な日の食事や仕事を終えて家でゆっくりしたい時、ワインは欠かせないアイテムです。
なにも気にせずワインを楽しみたい。
ワインを楽しむ際に気になってしまうのが、こぼした際の染みです。

気にしないでください。ワインの染みは落とせます。
この記事では、実際の手順を画像つきで解説していきます。
染み抜きを初めて挑戦するという方も、簡単にワインの染み抜きを出来るようになりますよ。
用意するもの
ワインの染み抜きに必要な道具は、以下の通りです。

- 洗面器
- ゴム手袋
- 汚れを落とす歯ブラシ
- 食器用洗剤
- 酸素系漂白剤
- 白タオル
道具はキャンドゥやウェルシアで売っていたものです。
食器用洗剤のみで落とせる染みはありますが、念のために酸素系漂白剤も用意しました。
ワインの染みは時間が経つと強力になります。
数日間放置した状態なら、食器用洗剤だけでなく酸素系漂白剤を用意しておくのがおすすめです。
ワインの汚れはなぜ落ちにくいのか

ワインの汚れが落ちにくい原因は「フェノール化合物」です。
フェノール化合物はワインに含まれる成分で、ワインの口当たりや色、味に関わるものです。
そしてフェノール化合物に含まれる成分「アントシアニン」が赤紫の色素を持ち、染みになります。
ワインをこぼしたばかりだとコーヒーや醤油と同じ水溶性の汚れなので、応急処置によっては染みを軽く出来ます。
①染みの部分を水で濡らし②ハンカチで拭く。
これだけでも違ってくるので、お試しください。
染み抜き作業に移る前に、ワインを染み抜きする際の注意点について触れていきます。
ワイン染み抜き前の注意点
染み抜きをする前に、衣類が色落ちしてしまわないか確認する必要があります。
白いタオルに水を含ませたら、服の目立たない部分に押し当てて、色落ちするか確認してください。
タオルに服の色が付いていたら、色落ちする可能性が高いです。
色落ちする衣類に染み抜きをすると、衣類の色も一緒に落ちてしまいます。
染み抜きによって衣類が痛み、損傷してしまったせいで処分することもありえます。
難しい場合は自分で処理するのではなく、クリーニング店に相談された方が良いでしょう。
ワインの場合は染みの酸化具合によって汚れの強さが変化します。
前回は一度処理したらキレイになったのに、2回目は三度処理しないとキレイにならなかったということもありえます。
浸透度合いによって使う洗剤や染み抜き道具も変わるので、ご注意ください。
染み抜き実践開始
今回はこのワイシャツを使用します。ワインをこぼしてから9時間が経過したものです。

染みが手のようにべったりと付着しています。汚れが広いだけでなく、腕にも飛んでいますね。

大丈夫です。赤ワインの汚れは強力ですが、食器用洗剤と酸素系漂白剤を使用することで見違えるようにキレイになります。
では、手順の説明に入ります。
① 染み抜きする部分の裏にタオルをあてる

かるく流水で汚れている部分を濡らし、画像のように染み抜きする部分の裏にタオルをあてます。
タオルは汚れを移すだけでなく、垂らした食器用洗剤や酸素系漂白剤が衣類の下に浸透するのを防ぐ役割があります。
利用した後は洗剤等が染み込むこともあるので、衣類と一緒に洗濯機へ入れましょう。
② 染みの部分に食器用洗剤をかける

次は、染み部分に食器用洗剤をかけます。
範囲が広いので、まんべんなくかけていきましょう。
これは食器用洗剤だけでは落ちないくらい、ガンコな汚れかもしれません。
③ 歯ブラシ等で汚れを叩きお湯で洗う

歯ブラシで汚れを落とした後、洗面器にお湯を張り、洗います。
多めに食器用洗剤をかけたので、手荒れを気にする方はゴム手袋の装着を忘れないでください。
また素手で洗う人は、洗った後に成分が手に残るので手洗いをしてください。成分が残ったまま目をこすってしまったら危険ですからね。
お湯から引き上げ軽く絞ったら、次に移ります。
④ 洗濯機で洗う
お疲れ様でした。あとは洗濯機に入れて終了です。
洗濯機が仕事を終えるのを待つだけです。
染み抜きビフォーアフター
洗濯も終わったので染み抜き作業でどれくらい落ちたか見てみましょう。
まずは染み抜き前のシャツ。

ワインが広範囲にべっとりこぼれています。まずは食器用洗剤だけ使ったのですが、キレイに落ちるのでしょうか。
オープン……!

ドン!
たしかに、汚れは一気に薄くなりました。でもよく見てください。

薄くはなったものの、うっすらとワイン汚れの後が残っています。気にしなくていいレベルなのか判断に迷う所ですね。
まさか染み抜き失敗?いいえ、これは予想の範囲内です。
酸素系漂白剤を使います。

※赤い四角で囲まれているのが酸素系漂白剤です。
このスプレーを汚れにかけ、すぐに洗濯機に入れます。すると……

ジャーン!ほぼ完全に汚れを落とすことが出来ました。
ワインの染みはガンコですが、酸素系漂白剤を使うことでキレイな状態に戻すことが出来ます。
焦らず冷静に衣類を持ち帰り、適切な処置を取っていきましょう。
酸素系漂白剤とは

酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウム(炭酸ナトリウムと過酸化水素を調合したもの)や 過酸化水素を主成分とした漂白剤です。
過酸化ナトリウムは粉末タイプ、過酸化水素は液体タイプの酸素系漂白剤で使用されます。
粉末は酸性、液体はアルカリ性を示し様々な衣類に使うことが出来ます。
色や染みを落とす力は粉末タイプが強いものの、衣類の色も落ちやすいというデメリットがあります。
色物の衣類で染み抜きをする場合は、液体タイプの酸素系漂白剤を選びましょう。
酸素系漂白剤の商品例
- シャボン玉石けん 酸素系漂白剤
- ワイドハイターEX
- オキシクリーン
- ブライト
酸素系漂白剤を使う際の注意点
便利な酸素系漂白剤ですが、利用の際に注意する点があります。
扱う素材によっては脱色や変色することがあるのです。
ジッパーやボタンといった金属性のものや、金糸や銀糸は変色する恐れがあります。
使用するものによっては脱色することもあるので、「漂白テスト」で白くならないか確認しましょう。
漂白テストのやり方
「漂白テスト」をすることで白くなってしまう物には酸素系漂白剤を使わないようにしましょう。
水洗いできないと成分を落とすことが出来ないので、水洗い出来ないものに対して酸素系漂白剤を利用することもおすすめしません。
やってはいけない染み抜き

染み抜きはクリーニング屋に行くことなく素早く便利に染みを消すことが出来る便利な技ですが、使う際にはいくつか注意すべき点があります。
やり方を間違ってしまうと衣類を痛めるどころか、身体にダメージを受けてしまうこともあるので染み抜きをする際にやってはいけないルールについての理解を深めていきましょう。
塩素系の漂白剤を使う
塩素系の漂白剤は強力な脱色効果がありますが、制約や毒性などから積極的な利用は推奨されません。
漂白する力が強いので、衣類に元々ついている染色も脱色してしまいます。
アルカリ性のちからが強く綿・麻・ポリエステル・アクリル素材のみ使用可能です。
「まぜるな危険」という表記が消費者庁によって義務づけられているものは、1.0ppm以上塩素ガスを発生する塩素系の商品です。
※例 塩素系漂白剤の商品名
- ハイター
- マイブリーチ
- カビキラー
- スクラビングバブル
「まぜるな危険」の商品を酸性の商品と混ぜると有毒ガスが発生したいへん危険なのでご注意ください。
強くこする
染み抜きの際にやってはいけないことが、ハンカチなどで強くこすることです。
こすることで生地にスレが発生してしまいます。
スレが生じることで生地との間に摩擦が起き、熱で染みは拡がり、生地に浸透してしまいます。
強くこするとよく落ちそうなイメージがありますが逆効果なので、やらないようにしていきましょう。
無理におとそうとする
食器用洗剤やセスキ炭酸、酸素系漂白剤で試してみても落ちない場合は、無理に自分で落とそうとせずにクリーニング店へ持っていきましょう。
自分で落とせないなら無理に落とす必要はありません。
衣類を傷つけてしまったら大変なので、難しければプロに任せましょう。
まとめ
以上が、ワインの染み抜き実践解説でした。
染み抜きの際に注意しておく点は以下の通りです。
染み抜きの注意点
- 色落ちしないか確認
- 染みは時間がたつとガンコになる
- 強くこすらない
- 酸素系漂白剤を使う際は脱色テストをする
- 無理そうならプロに任せる
ワインの染みは酸化により強くなり、今回は食器用洗剤と酸素系漂白剤を使用しました。
ワインの量も多く、9時間と長めに放置したので2つの染み抜き道具を使いました。
酸化の具合によっては水洗いと食器用洗剤だけでも十分キレイになることがあります。
こぼれてもワインの汚れは落とせます。
ゆったりとワインをたのしみ、こぼしても動じない心を手に入れましょう。