結論:効果は少しあると思うが、まだ未証明である
新型コロナウイルスの影響で、空気清浄機が売れているようです。
空気清浄機の出荷6割増 各社がコロナ対策効果検証を加速 https://t.co/mr4AeJE6bz @SankeiBiz_jpより
— 【公式】不用品回収の達人 (@osoujitatsujin) July 17, 2020
6割増ということで、爆発的に売れているわけではありませんが、何かの効果があると購入をする人が増えているということですね。
さて、この空気清浄機ですが実際に新型コロナウイルスに効果はあるのでしょうか?
不用品回収の達人編集部としての結論としては
『効果は少しあると思うが、あくまでも安心・予防するための一つにすぎない』
となりました。
これまた、今除菌グッズとして人気になっている次亜塩素酸、それを使った空気清浄機『ジアイーノ』もありますが、これに関しても効果は同様です。
この記事では、そもそもの空気清浄機の仕組みに触れつつ、なぜこの結論になったのかを分かりやすく解説します。
給付金などで空気清浄機の購入を検討している方などは、参考の一つとしてご覧ください。
動画でみる(当ブログ監修)▽
そもそも効果がまだ証明されていない
まず大前提として、空気清浄機がコロナウイルスに効果があるかどうかについては証明されていません。
人気メーカーもその点は公式発表を出しています。
- 特定ウイルスに関しての効果があるかどうかは不明
- 今のところ公表はしない(菌への効果はある)
参考サイト(ダイキン公式サイト) 【ストリーマ】新型コロナウイルスへの効果について
参考サイト(パナソニック公式サイト) 【ジアイーノ】新型コロナウイルスへの効果について
という書き方ではありますが、コロナウイルスに効果があるわけではないということ。
ジアイーノに関しては空気清浄機ではなく、空間除菌脱臭機ですので仕組み、効能も異なるとのことです。
単純に、コロナウイルス発生からまだ日が経っていないこともあると思いますし、新型コロナウイルスに便乗した、悪質な商品が流行っていることなども加味しての発表なのかもしれません。
「効果があったとしても、医薬品医療機器法で表示できない」という意見もあるようです。
というように、正式に効果が証明されているわけではないということは、知っておく必要があるかと思います。
空気清浄機の仕組みとウイルスへの効果について
なぜ効果が証明されていないのに、空気清浄機の売り上げが上がっているのか?
その説明として、空気清浄機の仕組みと、ウイルス(コロナウイルス以外も含む)への効果について解説します。
空気清浄機の仕組み
一般的な空気清浄機はファンで空気を吸い込み、その空気を様々なフィルターにかけることできれいにするという仕組みになっています。
空気清浄機はエアロゾルと呼ばれる『空気中に漂う微細な粒子』を浄化することが主な目的です。
エアロゾルの例▽
- 花粉
- ウイルス
- 菌
- 匂い
- PM2.5
フィルターの例(日立の空気清浄機)▽
日立公式サイトより
ウイルスや菌は非常に小さいものですが、より細かいフィルターを何層にも搭載することでこれらをカットしようということですね。
このフィルターはとても細かい粒子までキャッチできるように作られていますが、すべてのウイルスを取り除けるわけではありません。
ウイルスへの効果について。細菌とウイルスの違い
ウイルスを取り除けないのでは意味がないのですが、冒頭にも書いた通り、空気清浄機のメーカー公式サイトには
除菌効果が認められているという記述があります。
ここでポイントとなってくるのは細菌とウイルスの違いです。
どちらも、感染症を引き起こす微生物(ウイルスは生物と非生物の中間と言われている)なのですが
- 細菌・・・自己増殖する
- ウイルス・・・自己増殖せず、他の生物に取り付いて栄養を取る
という点で大きな違いがあります。
また大きさもかなりの違いがあり、細菌に対してウイルスの大きさは1/10~1/100と小さく、かなり開きがあります。
その為、空気清浄機のフィルターでは取り除けないウイルスもあり、効果が疑問視される一つの理由となっているのですね。
空気清浄機の効果はフィルターだけではありませんが、それらの効果についても、劇的な効果があるとは言いにくいのが現状です。
アルコール消毒が有効。エンベロープについて
菌には効果が認められているが、すべてのウイルスを取り除けるわけではない。
空気清浄機がもし効果がないとすれば、新型コロナウイルス対策はどうすればいいのか?という点においては、まずアルコールが有効といえるようです。
ウイルスには
- エンベロープウイルス
- ノンエンベロープウイルス
の二種類があります。
エンベロープとは、日本語訳すると封筒のこと。
つまり、ウイルスが膜状のものに包まれているか、いないかという意味になります。
新型コロナウイルスは、エンベロープウイルスとなり、アルコールで膜を破壊することでウイルスにダメージを与えることができます。
例えば、手の消毒や、テーブルの上の消毒においては空気清浄機よりも効果があると言えるでしょう。
ジアイーノと次亜塩素酸水について
空気清浄機と同じような認識で、ジアイーノ(パナソニック発売)という家電が今売れています。
コロナウイルスへの感染対策の需要が高まり、現在は一時受付停止となっているほどです。
これは、空間除菌脱臭機というもので、次亜塩素酸が含まれる水のフィルターを空気を通すことで除菌する仕組みになっています。
次亜塩素酸水とは、文字通り次亜塩素酸が含まれた水のことで、身近な例でいうとハイターなどに含まれている成分です。
ハイターは漂白除菌剤ですから、当然次亜塩素酸には効果がありますが、例えばプール消毒に使われているようなものと考えるとイメージしやすいですね。
この次亜塩素酸水が消毒効果があるということで、ハイターを飲んでしまったりというトラブルも起きているようです。
公式にもハイターから次亜塩素酸水を作ることができないと発表しているほどですね。
参考サイト(花王株式会社公式サイト) 「ハイター」や「キッチンハイター」から次亜塩素酸水が作れるの?→作れません
それだけではなく
- 次亜塩素酸水
- 次亜塩素水
と、同じような名前でもかなり違いのあるものがあり、どちらも消毒効果があると混同されて使用されていることも問題の一つです。
後者については、スプレーなどが発売されていますが、保管方法や使用用途によって効果がない場合もあるので、正しく調べて利用する必要があります。
まとめると、新型コロナウイルスに効果がてきめんであるということはなく、まだ公式からの見解もなされていない状態なのでジアイーノ含め、過度の期待をもって使うことはやめておきたいですね。
無理に購入するよりはこまめに換気を!
現在、新型コロナウイルスに関しては、様々な意見や憶測が飛び交い、混乱している状態です。
給付金などを利用して、効果があると高価な空気清浄機を買う方もいらっしゃいますが、無理に購入するよりは換気や手洗い、密を避けるなどの方が効果的です。
厚生労働省のコロナウイルスに関する対策のページを読んで、どうすれば予防ができるのか?風評やデマに踊らされずに、予防をしていきましょう。
消費者庁からも、便乗した悪質な商法に注意喚起がなされていますので、効果があると謳っている商品については充分に注意してください。
新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品の表示に関する改善要請等及び一般消費者への注意喚起について
マイナスイオン発生機
空間除菌剤
サプリメント
・ビタミンC
・マヌカハニー
・スピルリナ
・ポリフェノール
という名称や成分の表記でコロナウイルスに効果があると表示されているものに注意とのことです。
参考リンク(消費者庁) PDFで確認する
アルコール消毒など安心対策の一つとしてならアリ!
コロナウイルスへの感染対策には上記に書いた通り、複合的な感染予防をするべきだと思います。
アルコールが一定の効果があるということは判明していますので、まずは消毒を行うこと。
手洗い・うがい、人が密集するところは避けるなど、国から発表される指針に基づいて行動したいところですね。
空気清浄機に関しても、まったく効果がないという訳ではありませんから、アルコール消毒などの予防をすることで安心につながるかとは思います。
また病院など積極的に換気がしにくいところでの一定の効果は認めらているようです。
病院などで空気清浄機を使用した場合は、空気清浄機内のフィルター交換時、消毒や医療廃棄物として処分することが望ましいとされていますね。
まとめ
- 空気清浄機がコロナウイルスに効果があるという確証はない
- 空気清浄機はフィルターによって空気をきれいにする
- 細菌には効果が確認されている
- 細菌とウイルスは異なり、ウイルスは細菌よりも小さい
- その為、すべてのウイルスをフィルターでキャッチできるわけではない
- フィルター以外の機能効果についても、効果の確証はない
- ジアイーノも同様
- 過度の期待はせずに、あくまでも予防の一つ、心構えとして利用する
以上、空気清浄機にコロナウイルスは効果があるのか?というまとめでした。
当編集部では、効果が全くないということではないと考えています。
危険なのは、空気清浄機があるから大丈夫!というように過信してしまい、感染予防がおろそかになってしまうこと。
という感じで、気持ちのもちようの一つとして、購入する分にはよいのではないでしょうか。
この記事も一つの意見として、とらえて頂き、コロナウイルスへの対策は厚生労働省の対策についてのページをご覧になることをおすすめします!
最後までご覧頂きありがとうございました!
参考リンク 厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について